自家製(手作り)石鹸の作り方



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一時期「廃油石鹸」というのが流行りましたね。
何度も揚げ物をして疲れた天ぷら油を捨てずに、石鹸にするというものです。
別に廃油でなくてもご家庭にある食用油で自家製石鹸をつくることはできるのです。作る前にまず石鹸というものを知っておきましょう。

<そもそも石鹸とは>
石鹸というと普通の人は昔ながらの固形の石鹸を思い浮かべますが、
化学をやった人にとっては「脂肪酸のアルカリ金属塩」ということになります。
もうちょっとかみ砕くと「脂肪酸ナトリウム」または「脂肪酸カリウム」です。
(本当はもうちょっと種類があるのですが、一般的ではないので割愛します。)

理系でなくてもナトリウムとカリウムぐらいは聞いたことがあるでしょう。
しかし脂肪酸と聞いてもイマイチ分からないのが普通だと思います。
実は食用の油は脂肪酸の混合物なのです。
油の種類によって組成が違いますが、例えばキャノーラ油はオレイン酸62%、リノール酸20%、αリノレン酸10%ぐらいだと言われていますし、オリーブオイルはオレイン酸72%、リノール酸10%、パルミチン酸11%が主成分です。
このオレイン酸とかリノール酸というのが脂肪酸の具体的な名前なのです。

脂肪酸というぐらいですから「酸」です。 それに対しナトリウムやカリウムは「アルカリ」ですから、それらを混ぜると中和されます。 脂肪酸をナトリウムで中和すれば「脂肪酸ナトリウム」となり、カリウムで中和すれば「脂肪酸カリウム」が得られます。
ただし、ナトリウム石鹸は固体ですが、カリウム石鹸は液体です。

つまり石鹸とは、「脂肪酸をアルカリで中和したもの」です。

<自家製石鹸の材料>
自宅で石鹸を作る場合は「脂肪酸=食用油」、「ナトリウム系アルカリ剤」の2つを材料として作りましょう。
工業的には苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使用しますが、苛性ソーダは劇物なので安全性を考えるとご家庭で使うことはおすすめしません。お子さんがいたらなおさらです。
「苛性ソーダなし」で作りましょう。

そうなるとアルカリ剤として良いものは重曹です。
重曹の化学式は NaHCO3 で、ナトリウム(Na)を含んでいます。
重曹はそのままではほぼ中性ですが、水に溶かして熱を加えると
泡が出てきます。
2NaHCO3 → Na2Co3 + H2O + CO2↑
その泡は二酸化炭素です。 残った炭酸ナトリウム(Na2CO3)は
アルカリ性の物質です。
危険な苛性ソーダを買ってきて家に保存しておくよりも重曹を
使用時に炭酸ナトリウムにするほうがよほど安全かつ経済的です。

脂肪酸のほうですが、家にある食用油ならなんでも良いでしょう。
何度も揚げ物をした天ぷら油でも、新品のサラダオイルでも、オリーブオイルでもOKです。 ただし使用済みの油を材料にする場合は紙などで良く漉しておきましょう。

実は食用油でなくても石鹸を作れる食材があるのです。それはラードです。もともと石鹸は牛脂を使って作られていたので、本来ならばこちらのほうが本筋です。牛脂などの油脂は中和すると石鹸になるのに加えてグリセリンが出ますから、そういう意味ではお得です。しかしやっぱり獣臭がするのでたくさんは入れないほうが良いでしょう。

<自家製石鹸の作り方>
石鹸生成の流れとしては
・重曹の水溶液を加熱して炭酸ナトリウム水溶液にする。
・食用油を徐々に加え中和する。
・最終的にpHを調整する。

上にも書いたように食用油はいろいろな脂肪酸の混合物なので、それをきっちり中和できるアルカリ剤の量を計算することはできません。
※注  pHが7(中性)になるのが中和ではありません。 脂肪酸とナトリウムのモル数が一緒になる(分子の数が同数になる)のが中和です。
よって、ちゃんとしたものを作るには実際に混ぜてみて試行錯誤を
繰り返すしかないのです。 一度やれば2回目からはだいたいの量が分かっているので作りやすくなります。 面倒なのは1回目ですね。

<使用する器具など>
・2リットルぐらい入る手鍋(内側がテフロン加工のものが便利です)
・キッチンスケール(はかり)
・pH試験紙(pH1から14まで測れるもの)通販で安く買えます。
・ゴムベラ
・石鹸を入れる型(硬いと固まった石鹸を取り出せないので柔らかいもの)冷凍食品のトレイのような押すとペコペコへこむものがオススメです。

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<具体的な工程>
まずは出来上がりの量が1kgぐらいになるように作ってみましょう。

1. 鍋に水600cc、重曹20グラムを入れて沸騰させます。 その後は火を止める。
2. 鍋に食用油を徐々に入れて均一になるようにゴムベラなどで混ぜます。
3. とりあえず油を100グラムまで入れてみましょう。
4. pH試験紙でpHを測ります。
5. 本来ならば普通の石鹸は弱アルカリ(pHが8から11)になるものですが、11ではちょっとアルカリが強すぎますので、8から9ぐらいになるように油の量を調整しましょう。 追加の油を入れていけばpHは下がっていきます。
6. 最終的に狙ったpHになってから10分ほど混ぜたら完成です。 粗熱がとれたらプラスチック容器などに入れて固まるのを待ちます。

:熱したアルカリというのは人体にとってもっとも危険な物質のひとつです。
作業中は絶対に目に入らないようにゴーグルなどをして下さい。
また、中和熱というものが発生して、火を止めていても温度は上がります。
やけどにも注意して下さい。

注2:中和には時間がかかります。 あなたが考えている10倍は時間がかかると思って下さい。
油を足してからpHを何度も測り、数値が動かなくなって安定してから次のステップに進むようにして下さい。

注3:入れた油の量はちゃんと記録しておきましょう。次に作るときに
非常に楽になります。 熱い容器をキッチンスケールにのせるのはちょっと無理があるので油の容器のほうをのせましょう。 容器に油を200gほど入れ、はかりに載せてから、はかりのスイッチを入れて”0”にします。 油をアルカリに注いだ後にもう一度はかりにのせるとマイナス表示(例 -85とか)になりますので、それが使った油の量です。

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<さらなるステップアップ>
まずはpHですが、アルカリ性に近くなれば油汚れなどに対する洗浄力は増します。 その代わり手荒れします。
pHが中性に近い場合は洗浄力は落ちますが手肌に対してマイルドになります。
用途に応じて油の量を変えてpHを調整しましょう。
添加剤として保湿成分であるグリセリンを少量入れると使用感も変わり
完成度がぐっと上がります。(グリセリンは薬局で買えます。)
また、使う油の種類を変えると泡立ちや使用感がまったく違ってきます。
型に入れて固める場合でも冷やし方(常温で放っておくのか、冷蔵庫で急冷するのか)によっても仕上がりが違います。
常温で固まるまで待つのが良いとされていますが、試しにつくって
みるのならば冷やし方を何パターンかやってみて、違いを確かめるというのも一興です。

作ってみれば分かりますが、石鹸における香りというものがいかに重要な要素であるか実感されると思います。
自分で調香することは一般人にはムリなので、市販のアロマオイルなどを入れて香りをつけてみましょう。 粗熱がとれたら、型に入れて冷やす前に石鹸生地を小分けし、それぞれに香りをつけるのが良いでしょう。

人のレシピをそのまま作ってもうまくいきませんし面白くありません。
ご自分でいろいろ試してみて、あなたにぴったりの石鹸を作ってください。

ご自分でやるのが面倒な場合は、お子さんの夏休みの自由研究として何種類か作ってもらうというのもアリでしょう。

夏休みの自由研究としてやる場合は

・使う油による泡立ちの違い/使用感の違い/固さの違い/ニオイの違い
・最終pHを変えるとどのような違いが生まれるか
・冷やし方によって何か違いがあるか
・最初の水の量を変えると何か違いが出るか
・グリセリンの入れる量を変えて違いを見る

等の切り口が考えられますね。

また、今年の結果を踏まえて来年にまた再度同じテーマで自由研究をすれば理解も深まりますしネタを考える手間も省けてお得です。

さらに言うと、自由研究は夏休みにしなければならないというのは思い込みです。冬休みや、ちょっとした連休に石鹸を作った時に結果をまとめておけば次の夏休みは何もしなくて済むのです。

では、うまくいくことを願っています。 頑張ってください。

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